CXM(カスタマー エクスペリエンス マネジメント)とNPS(Net Promoter Score)の話がとても興味深かった
移動時間や家事をするときに、よくPodcastを聴いています。
先日聴いたPodcastでCXM(カスタマー エクスペリエンス マネジメント)とNPS(Net Promoter Score)がテーマになっており、とても興味深かったのでブログに残しておこうと思います。
目次
CXMとは?
CXM(カスタマー エクスペリエンス マネジメント)のことで、顧客体験を高める手法です。後述するNPS(Net Promoter Score)という数値で、お客様の「顧客体験-->心の満足度」を数値化し、改善活動を行います。 改善することで顧客体験をより良いものにし、顧客の感動のしきい値を一歩超えることを目指します。 満足度の高いお客様は、自社のサービスや商品を長い期間継続して利用してくれますし、購入単価も高くなる傾向があるそうです。
NPSとは?
お客様の「心の満足度」を数値化します。Podcast内では、下記の例が挙げられていました。
例:顧客体験と、利用するカフェ
お客様がカフェを選ぶ基準には、合理的な理由と心理的な理由が存在します。「駅から近い」「電源が使える」「珈琲が安い」などが合理的な理由です。対して、「店員さんの笑顔が素敵」「景色が落ち着く」といった理由が心理的な理由です。
NPSでは、心理的な理由を数値化し、分析していきます。
NPSを導入するべき業界
基本的にはお客様がいる業界全てに活用できるNPSですが、特に下記のような業界で適しているそうです。
- 継続課金するサービス
- 継続率は事業に直結します。
- 購入金額が大きいサービス
- 金額が大きくなるほど、体験や評判が重視されます。
- 店舗型や接客業のサービス
- 接客をする人や店舗は顧客体験に直結します。
NPSの測り方
「自分の買った商品、受けたサービスを家族とか親しい人に進めますか?」という問いに、0-10の数値で回答してもらいます。
「0~6を批判者」「7~8を中立者」「9~10を 推奨者」と定義し、推奨者から批判者の値を引いた数値がNPSです。数値化することで経営判断に使いやすくなりますし、推移が見やすくなります。
単純に「あなたはサービスに満足しましたか?」という質問よりも現実に即したデータが取得できるそうです。
NPSの改善方法
前述の「自分の買った商品、受けたサービスを家族とか親しい人に進めますか?」という問いだけでは、結果を受けてどのように改善したら良いのかわかりません。 そこで、いくつかプラスの質問を実施します。
例えば、「自分の買った商品、受けたサービスを家族とか親しい人に進めますか?」という質問に加えて「美味しかったですか?」「店員の笑顔はいかがでしたか?」などプラスを質問します。これにより、顧客が満足と感じる要素を洗い出していきます。
質問の結果を受けて最も優先するべき体験を洗い出し、優先順位を決めて改善していきます。合わせて、優先的な体験がどれだけ収益や事業活動に影響するのかを明確化しながら取り組みを進めます。
実践事例: NTTドコモ
NTTドコモのdマガジンというサービスでNPS調査を行ったところ、「通信状況によって雑誌読める状態になるまで時間がかかる」という問題が顧客満足度に大きな影響を与えていたそうです。そこで、通信状況が悪い状態でも素早く本を読める機能をお客様に案内することでNPSが向上したそうです。この機能自体は既にアプリに合ったのですが、お客様の認知度が低いことで利用されていませんでした。
サービスを提供する側としては、「機能を追加することで便利になる」「コンテンツが増えることでお客様の満足度が上がる」というところに意識がいきがちですが、「実はもっと別のところにボトルネックがあった」という事例でした。
「自分でドッグフーディングしてみる」「プロトタイプを作って、早い段階で利用者の方に体験してもらう」というのは大切なことだなと改めて感じることができました。
CXを向上させる7つのルール
書籍に記載されている、顧客体験を向上させる7つのルールについて、Podcastでも紹介してくれていました。
経営者を本気にさせるルール
(1) 収益との関連を可視化する
CXにより、どれだけ売上に影響があるのかを可視化します。
(2) リアルなお客様の声に触れてもらう
お客様のクレーム電話に経営者がでたり、経営者が店頭に立ってお客様のリアルな声を聞きます。
クレームの調査結果を文字で読むことでクレームの内容はわかりますが、「どれくらいお客様が怒っているのか?」といった情報はわからなくなってしまいます。
現場を本気にさせるルール
(3) 現場の人に不安を持たせない
現場の人がNPSの結果をみるときに不安を持たないように気をつけます。
Podcast内では理由は述べられていませんでしたが、「心理的安全性」の確保が目的でしょうか。
(4) データを共有する
現場の人にもNPSの結果を共有します。
これもPodcast内では理由が述べられていませんでした。目的意識の共有や、チームビルディングが目的でしょうか。
(5) 成功事例を生み出す
チームによって、NPSへの取り組みに対する温度感が変わります。温度感が高いチームの事例を温度感の低いチームにも共有します。
顧客を巻き込むルール
(6) 調査結果と改善行動を伝える
お客様に調査の結果と、その結果実施する改善行動を伝えます。英語では「クローズドループ」と言い、お客様からの声をお客様に還元することが大切だそうです。改善が見えることで、また意見を伝えてくれるようになります。
チームマネジメントでも、「意見を挙げてくれたチームメンバーに対して、行動を伝えるのは大切」と言われています。自身の体験と照らし合わせても、とても納得感がありますね。
(7) つねに声を聞き続ける
NPSは調査して終わりではありません。結果の推移みつつ、継続して改善していくことが大切だそうです。
続きは書籍で
Podcastでは、目的や理由が述べられていないルールがありました。おそらく書籍の中では詳しく説明されているのだと思います。
また、書籍の中ではバイク王やトヨタ自動車の事例も紹介されているようです。「提供する側の思いもよらないところに落とし穴が存在していた」というNTTドコモの事例がとてもおもしろかったので、他社の事例についても興味があります。
早速Amazonの「欲しい物リスト」に入れておいたので、書籍を購入して読んでみようと思います。
Podcastのリンク
こちらからPodcastを聴くことができます。
週刊日経トレンディ&クロストレンド
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